スパイシーな香り漂うクローブの森へ。

クローブ農園が集まる緑豊かなプクタタンエリアを散策~♪

クローブを使ったオリジナルの雑貨『フルーツポマンダー』作りにも挑戦!

クローブで作るフルーツポマンダーの画像

インドネシア原産のスパイス 『 クローブClove) 』とは?

刺激的で食欲をそそるスパイスたっぷりなインドネシア料理。

沢山の香辛料がミックスされたエスニック料理は、食欲がそそられますよね。

寒くなる季節には、体の芯から温まるマサラチャイやホットワイン、カクテルなど♪

クローブを入れるだけで、ほんのりスパイシーな大人のテイストに変身。

クローブの甘く刺激的な香りは、エキゾチックテイストには欠かせない存在です。

丁子の画像
丁子は花の蕾の部分を乾燥させたドライハーブです

クローブ(Clove)は花のガクとつぼみ部分を乾燥させた、ドライハーブの香辛料です。日本では丁子(ちょうじ)、丁香(ちょうこう)と呼ばれ、バリ島ではチュンケ (cengkeh)と呼ばれるスパイスのひとつ。

また、殺菌効果があるため、口腔清涼剤や胃腸薬として使われるだけではなく、刺激的な強い香りは芳香や虫除け、魔よけとしての役割もあります。

インドネシアはクローブをはじめ、コショウ、ナツメグなど、スパイシーな料理に欠かせない香辛料の宝庫、スパイスアイランドです~♪

スパイスの画像
パサール(市場)で売られる色とりどりの香辛料。
スパイシー料理にはかかせませんね!
ボトル入りの画像
スーパーやお土産屋さんでは、
小分けの保存しやすいボトルタイプが揃います

クローブ生産が盛んな場所は、西部エリアの一番東側に位置するプクタタン村(Pekutatan)。

状態の良いサーフスポットがあり、バリアンビーチ(Balian beach)、メデウィビーチ(Medewi beach)は特に有名で、波を求めるサーファーが世界中から集まっています。

タバナンの街を通り越し、美しい棚田が広がる先には、眼下に広がる雄大なインド洋。

水牛レースの石像を越えると、そこは西部のジュンブラナ県の入り口です。

石像の画像
ジュンブラナ県の入り口は、
水牛レースの石像が目印
棚田の画像
青々と茂る棚田から吹く風に
癒される~♪
メデウィビーチの画像
メデウィビーチは穴場サーフスポットとして人気上昇中!

ビーチの反対側にはパタス山(Gunung Patas)など標高1,000メートルを超える山脈がそびえ、 最近パワースポットとして密かに人気のあるブヌッボロン(bunut bolong)のガジュマルの木もあります。

このガジュマルの木には大きな穴が開いていて、くぐることが出来ちゃうのです♪

穴は車も余裕で通れるほどの大きさで、庶民の通り道として活躍中。

まるでトトロの森みたい~!ここを通ったらトトロに会えるかな(笑)

ガジュマルの木の画像
道を邪魔しないように育ったガジュマルの木。
この穴は人の手が加えられていないそうです
ブヌッボロン(bunut bolong)の画像
小型バスなら余裕!?
通れない車は迂回路がありますのでご安心を♪

穴は車も余裕で通れるほどの大きさで、庶民の通り道として活躍中。

まるでトトロの森みたい~!ここを通ったらトトロに会えるかな(笑)

このガジュマルの木に続く道沿いは、クローブ農家の家が連なり、どこからともなくスパイシーなクローブの香りが漂っています。

このエリアには沢山のクローブの木が植えられ、バリ島で一番のクローブ生産地として有名です。

クローブの木は10m以上にもなる大きな木。

枝の先のガクの部分が赤く色づきはじめたら収穫のサイン!

クローブは白い花が咲くのですが、花が咲くとクローブの香りがなくなってしまいます。

ツボミが開く前に収穫したものが一番質の良いクローブとして出回っています。

早速収穫現場にお邪魔しちゃいました~!

収穫方法は木に竹の足場を立てかけて、花のつぼみとガク、そして茎の部分を収穫します。

なんと、太い竹ざお1本だけで作業しているんです!

竹に足をかける小さな足場が付いているだけで、命綱もなく、10m近い高さまでスルスルと登っていきます。

皆さん涼しい顔で作業していますが、下から見ているだけで足がすくんでしまいます。。。

高所恐怖症の人は絶対に無理な作業です(苦笑)

クローブの木に登り収穫する画像
木の上を良く見てみると、人がいるのが分かりますか?
クローブの蕾の画像
手作業で赤く色づいた蕾のみ、
丁寧に摘み取っていきます。
クローブの花の画像
摘みたてのクローブはほんのり甘い香り。乾燥したものとはまったく違うものに感じますね。

天日干しで4日~5日乾燥させると、辺り一面がクローブのスパイシーな香りに~♪

遠くにいてもクローブの香りが届くので、百里香という名前でも呼ばれているんですって。

それだけ香りが強く、人々を引き付けるものだったのですね。

ドライクローブの画像
天気が良いと、4~5日でドライクローブの完成!
1日に何度も混ぜて均等に乾かします。

時期にもよりますが、プクタタンでは1kg 88,000Rp、デンパサールでは120,000Rpで取引されています。

気温も暑く、雨も少ない時期が収穫に適していて、雨季に入る前の7月~8月頃が最盛期!

この時期は値段もお手ごろです。 あまり観光客は現地で買っていかないみたいで、クローブの卸問屋に行って買おうと思ったら、なんだか話がかみ合わない。

どうやら私がクローブを売りに来たと思っていたらしい!?私、クローブ農家に見えましたか?(笑)

■お買いモノで役立つ単語~インドネシア語&バリ語

丁子
cengkeh
チュンケ

香辛料
bumbu
ブンブ

料理
masakan
マサカン

タバコ
rokok
ロコッ

精油
minyak esensial
ミニャッ・エッセンシャル

わざわざクローブ屋さんまで行くのは大変ですが、パサールやスーパーなどにも沢山売っていたり、バリ雑貨のお土産コーナーにもあるときがありますよ♪

ホールそのままの物、細かくしたパウダー状の物もあります。

用途によって使い分けることが出来るので便利ですねっ。

スーパーではお土産用の小分けされたものが5,000Rp程度で売っているので、気軽に買うことが出来ます。

クローブは抗菌・消臭効果があり、肉の臭み消しや焼き菓子などには欠かせない存在です。

ガラムマサラやチャイなどのインド料理をはじめ、西洋の料理にも欠かせない存在ですが、生産地であるインドネシア料理には、ほとんど使われていないんですって!

インドネシアが世界でもっとも生産量が多く、輸入量も世界で一番!

そして消費量も世界一なのはなぜ??

インドネシアで一番クローブが使われているのは、なんとタバコ!

クローブ入りのエキゾチックな香りがするタバコがあります。

代表的なものは、ガラム(Galam)というタバコがあり、乾燥させたクローブの実や茎が入っていて、甘い香りが特徴。

クローブ入りのタバコの事をクレテック(Kretek)と呼び、クローブがパチパチと音を立てて燃える音を表しています。

インドネシア人には、この「パチパチ」と言う音が、「クレテッ(ク)クレテッ(ク)」と聞こえるそうです。

バリ島の空港に降り立った時にフワッと香る甘い香り。

異国情緒漂うエキゾチックな香りに、南国バリへ来た!という実感が沸きますよね。

インドネシアのタバコ『ガラム』の画像
ガラムをはじめ、クレテックタバコはすべて、
インドネシアで生産されています。

この甘い香りがガラムの香りで、ガラム=バリの香りと言われているんですよ♪

私はタバコを吸わないので試したことがありませんが、甘い香りはファンも多いようです。

また日本にも古くからクローブが伝わっていて、正倉院の御宝の中にも収められています。

あまり馴染みがない気もしますが、日本では料理ではなく、芳香や防虫剤、染色として使われていました。

クローブのお茶の画像
丁子を煮出すと、ほんのりと茶色に色付き、
独特の深い渋みのある香りが立ち込めます

丁子で染められた色は丁子色と呼ばれ、柔らかなベージュは優しい色合いとほのかな香り。

別名、香色とも呼ばれ、芳香のある布として珍重されていました。

色だけではなく、香りのある布を楽しむという感覚は、日本らしくてとっても素敵です~♪

また、丁子や白檀などを入れた袋を柱につるして邪気を払ったり、香り袋(サシェ)として、衣類の防虫としても活躍していました。

また、クローブの香りに含まれるオイゲノール(eugenol)と言う成分は、ゴキブリなどの害虫にとっては嫌いな香り。

台所やごみ捨て場にクローブを置いておくだけでも効果があります。

または、お湯の中にクローブを数本入れておくだけで、簡単ハエ除けの完成~。

私は、煮出したクローブ水をお掃除に使ってみました!

クローブのスパイシーな香りで気持ちがシャキッとする感じ!?

床から壁、窓や家具など、クローブの除菌効果ですっきり~!

お掃除が楽しく出来ちゃいました♪

昔から生活に密着して愛用されていたクローブですが、現代社会でも大活躍してくれそうですね!

そして西洋では、幸運を呼ぶお守りとして使われています。

フルーツポマンダー(Fruits pomander)と呼ばれる、フルーツで作る香り球です。

オレンジやリンゴなどの果物全体にクローブを刺し、乾燥させて作ります。

クローブの殺菌効果により、腐らずにドライフルーツ状態になるんですって!

このポマンダーを持っていると、強力な殺菌力により、病気にかからないと言われていました。

昔のお医者さんは、伝染病などから身を守る為、肌身離さず持ち歩いて予防していたそうです。

クローブは、とても殺菌効果のある物として昔から認識され ていたのですね。

幸運を呼ぶお守りとして、クリスマスや新年に贈る習慣として伝統的に伝わっています。

■お買いモノで役立つインドネシア語&バリ語

クローブ農家はどこにありますか?
Dimana ada lokasinya kebun cengkeh ?
ディマナ アダ ロカシニャ クブン チュンケ ?

見学できますか?
Boleh lihat ?
ボレ リハッ ?

クローブはどこで買えますか?
Dimana beli cengkeh ?
ディマナ ブリ チュンケ?

1kgいくらですか?
1kiro berapa harganya ?
サトゥキロ ブラパ ハルガニャ?

パウダーは売っていますか?
Ada tepung cenfkeh ?
アダ トゥプン チュンケ? ?

今回は幸運のお守り、フルーツポマンダー作りに挑戦!

フルーツポマンダー材料の画像
フルーツはお好みで。香りの良い柑橘系がオススメです。

■ 用意するもの

・オレンジやレモン、ライムなどの柑橘系のフルーツ

・クローブ 30g~50g、

・お好みのスパイス 小さじ2~3
(シナモンやオールスパイスなど)

・竹串

今回はオレンジとライムを用意しました!

フルーツはお好みで。香りの良い柑橘系がオススメです。

日本だったら、カボスやゆずなどを使ってみるのも良いかもしれませんね。

まずはオレンジにクローブを均等に刺していきます。

皮が硬くてなかなか刺せない場合は、竹串を使って穴を開けると簡単に出来ますよ♪

乾燥してくると実が小さくなってくるので、クローブとクローブの間は1~2ミリほど間隔を空けた方が綺麗に出来上がります。

オレンジの画像
竹串を使うと作業が簡単になりますよ~
オレンジにクローブを刺す画像
密集させすぎても離れすぎてもダメ! なかなか難しい作業です

綺麗にさし終わってみると。。。 なんだか大仏様の頭みたい(笑)

柑橘系のさわやかでフレッシュな香りと、クローブのスパイシーな香りが混ざり合って、この時点でとっても良い香り~♪

作っている最中から、辺りに広がるさわやかな香りで気分もウキウキ♪

その後は、シナモンとオールスパイスをブレンドしたものをまぶします。 スパイスはお好みでOK!

フルーツポマンダーの出来上がり画像
作る人によって性格が現れるかも(笑)
みんなで楽しく作りました~♪
シナモンの画像
シナモンをかけてみると、さらに甘い香りになりました

スパイスをまぶすと、シナモンのほんのり甘い香りも混ざって、いつまでもこの香りに包まれていたい~♪

と思ってしまうほど良い香り!

そして、太陽の当たらない風通しの良い場所につるして、1~2ヶ月かけ、じっくりと乾燥させていきます。

乾燥している季節にはぴったりですが、夏の気温が高く湿気が多い時期には、乾かしている間にカビが生えてしまう事があるので、適していません。

年中高温多湿のバリ島では、なかなか乾燥させるのは難しいので、冷蔵庫に入れて乾燥せてみました。

冷蔵庫の中もとっても良い香りが漂っていて、これは冷蔵庫の消臭にも向いているかも!

意味もなく冷蔵庫を開けたくなってしまいます(笑)

フルーツを触ってみて、カチカチになっていたら完成~♪

サイズは2/3ぐらい、重さは半分ぐらいまで小さくなります。

小さなフルーツほど早く完成するので、ライムは1ヶ月ちょっと、オレンジは2ヶ月程度で完成しました♪

時間がたってもフレッシュな香りが消えず、この香りは癖になってしまいますね。

リフレッシュしたい時にはピッタリな香りで、まさにフルーツで作る香りの置物って感じ。

作っているときから楽しい気分になれるフルーツポマンダー。

自分で雑貨を作れちゃうのもとっても楽しいです!

バリ島はクローブもフルーツもいっぱい手に入るので、また作っちゃおうかな♪

お部屋の芳香、虫除け、そして癒しのインテリアとして大活躍中です~。

クローブ農園のアクセス

■クローブ農園
住所:Jl.pekutatan-pupuan
Desa manggisari pekutatan Jembrana

タバナンの町を抜け、ギリマヌッへ続く道沿いを 2時間ほど進む。プクタタン村に入り、”WISATA BUNUT BOLONG”の看板のある交差点を左に 曲がり、山道を登っていきます。道沿いには クローブ農家が点在しています。

スパイスアイランド

クローブ、ナツメグ、コショウはインドネシアを代表 するスパイスで、15世紀初めの大航海時代、マゼ ランの世界一周探検隊たちによって産地が発見さ れました。

当時、スパイスは西欧にはなく、インドネ シアでしか栽培されていなかった為、その時の探 検家たちによってスペインに持ち帰りました。

持ち 帰ったクローブは1トンを言われ、莫大な利益をもた らしました。

西欧ではクローブなどのスパイスは、 同じ重さの金(ゴールド)と同じ価値のある産物とし て扱われるほど貴重な物でした。

インドネシアのスパイスの画像

クローブ農園の写真

看板の画像
ブヌッボロンの巨樹へ行くには、この看板が目印。
案内の画像
緑豊かなプクタタンエリア!クローブ農園の娘、シントヤちゃんが案内してくれました~♪
カカオの実の画像
カカオの実は森のあちこちに実っています。このエリアはカカオの産地でもあります。
マザークローブの画像
クローブの花が落ちると、マザークローブ、クローブフルーツと呼ばれる実がなります。
カカオの果実を持つ女の子の画像
シントヤちゃん大好物のカカオの果実を食べさせてもらいました。甘くて美味しい!初めて食べました。
クローブの画像
取れたてクローブはほんのり甘い香り。 フレッシュで色鮮やか~♪
乾燥の画像
クローブは道沿いで普通に干されています。辺り一面クローブの良い香り~♪

コーラルハイビスカスの画像
フリンジドハイビスカス、コーラルハイビスカスと呼ばれる珍しいお花。
お供え物の画像
お寺にお供え物を運ぶイブ達に遭遇。バランス感覚が凄い!重くないのかなぁ
メデウィービーチの画像
サーフスポット、メデウィービーチは大きな看板が目印。