インドネシア料理には欠かせない、伝統的な辛味調味料のサンバル。

家ごとにレシピが違う、バリ島版おふくろの味♪

バリのお母さん直伝!

サンバルを作ってみました~♪

スパイスの画像

インドネシア料理には欠かせない、伝統的な辛味調味料のサンバル。

家ごとにレシピが違う、バリ島版おふくろの味を再現!

インドネシア料理の辛さのヒミツ

ナシゴレンやミーゴレン。
ナシチャンプルやバビグリンなど。

一度は耳にしたことのある料理名ではないでしょうか?

汗がドクドクと出るほどスパイシーで、一度食べたらやみつきになりそう。

香辛料をたっぷり使ったバリの料理は、ただ辛いだけではなく、その中にもコクがある。

うま味のヒミツは、サンバルと呼ばれる唐辛子ベースの調味料を使っているから。

今回はインドネシア料理には欠かせない、サンバルの魅力をレポートします!

ナシチャンプルの画像
ホットでスパイシーなバリの料理は食欲がそそられます。

■インドネシア料理って?

インドネシアは、たくさんの島からなる多民族国家。

地域や場所によって、郷土料理のお味は違っています。

インドネシアは、たくさんの島からなる多民族国家。

地域や場所によって、郷土料理のお味は違っています。

西スマトラの
(Sumatera Barat)

パダン料理 は、
(Nasi Padang)

インドや中近東の影響を受けて いるので、カレー味が多く、

バリ島のお隣りの
ロンボク島 は、
(Lombok)

島の名前となって いる。

ロンボク=唐辛子

という意味があるだけあって、料理は激辛。

ジャワ島(Jawa)

の料理は、

ココナッツミルクやパームシュガーを使った甘めの味付け。

バリ島は、スパイスや塩 をたっぷり使った、塩辛い味付けなど。

同じインドネシアでも、異なる味が楽しめる食大国なんですよ~♪

ナシゴレンの画像"
インドネシア料理の王道
ナシゴレン(Nasi Goreng)
バビグリンの画像
代表的なバリ料理
豚の丸焼きのバビグリン(Babi Guling)

インドネシア全体で親しまれているメニューは、

焼き飯の
ナシゴレン
(Nasi goreng)

や、

焼きそばの
ミーゴレン
(Mie goreng)

焼き鳥の
サテ(Sate)

など。

日本にあるアジアンレストランでも、なじみのあるメニューです。

■では、バリ料理って?

代表的な料理は、

豚の丸焼き
バビグリン(Babi guling)

豚肉と野菜のスパイス和えの
ラ ワール(Lawar)

アヒルの蒸し焼きの
ベベ・べトゥトゥ(Bebek betutu)

など など 。

インドネシアは、イスラム国家なので基本的には豚料理はありませんが、ヒンドゥー教のバリ島は特別。

豚肉料理がとっても有名です。

チャベロンボクの画像
チャベロンボク(Cabe Lombak)
10cm程大きさで、辛さはマイルド
チャベクチルの画像
チャベクチル(Cabe kecil)
3cmぐらいで、辛さは激辛!!

バワンメラの画像
バワンメラー(Bawang merah)
別エシャロット、小さな赤い玉ねぎ

バリ料理の決め手となるのは、やっぱり

サンバル
(Sambal)

サンバルとは、ニンニク、赤玉ねぎ、唐辛子など。

石うすでゴリゴリとつぶして作ったス パイシーなペースト。

家庭によって味付けが違い、バリのおふくろの味といった感じ。

家庭の味が決まる、辛味調味料です。

お料理の調味料として使われるだけでなく、ご飯のお供として食べることもあり、日本で言うところの、納豆、明太子、梅干しといった感じでしょうか?

サンバルさえあれば、ご飯がススムっ!

何杯でも食べれてしまいそう。

バリのママの味をマスターすべく、サンバル作りに挑戦してみました~!

沢山の種類があるサンバルですが、代表的な3種類を作ってみよう♪

■サンバルの作り方

王道のサンバルトマトの作り方
(Sambal Tomat)

サンバルトマトはその名の通り、トマトが入ったサンバル。

炒めて作るので、

サンバルゴレン
(Sambal Goreng)

と呼ばれる場合もあります。

肉料理から魚料理まで合う、毎日食べても飽きない定番&万能のサンバル。

これさえ作れれば、バリ料理をほぼマスターしたのも同然!!(笑)

【 サンバルトマト 】

< 材料・ 4人分 >
◎ トマト1個
◎ ニンニク3かけ
◎ バワンメラー(赤い小玉ねぎ)5~7個
◎ チャベクチル(辛い唐辛子)2個
◎ チャベロンボク(大きな唐辛子)1個
◎ 塩少々
◎ 砂糖少々

サンバルトマトの材料画像
材料をざっくりと切って、石うすでつぶします。

バワンメラー
(Bawang merah)

とは、
2~3センチほどの小さな紫色の玉ねぎ。

インドネシアではとってもポピュラーな玉ねぎで、サンバルには必ず入っています。

チャベクチル
(Cabe Kecil)

は、
2~3センチほどの小さな唐辛子。

赤や緑色の唐辛子があり、緑色の方が断然辛い!

一方、

チャベロンボク
(Cabe Lombak)


10センチほどの赤くて大きな唐辛子。

見た目ではこちらの方が辛く感じるけど、実際にはそれほど辛く感じません。

辛いのが苦手な人でも食べれる辛さです。

唐辛子も1種類ではなく、辛さの違う唐辛子を混ぜると言うのもポイント。

辛いのが苦手な人は、チャベクチルを半分だけ入れよう!

とか、辛いのが好きな人は4個!

という風に辛さ調節ができますよ。

甘めな感じが好きな方は、砂糖を入れてくださいね。

サンバルトマトの作り方1の画像
手首のスナップが凄い!
ゴリゴリつぶしていきます。
サンバルトマトの作り方3の画像
フライパンで水分がなくなるまで、
よ~く炒めれば完成!

サンバルトマトの作り方2の画像
数分でペースト状になってきました!
もうつぶした方が良いかな?
サンバルトマトの作り方4の画像
サンバルの王道、サンバルトマトの完成~!
パスタソースにも合うかも!

この材料を石うすを使ってゴリゴリとすりつぶして作ります。

バリの家庭には必ずある石うすは、

チョベッ
(Cobek)

と呼ばれる、超万能調理器具。

市場やスーパーの雑貨コーナーには必ず売っています。

小さいものから大きいものまで、バリ人家庭では少なくとも1つは持っているスグレモノ。

コレをなくして、バリ料理を語るべからず!

石うすを使えばソース類はすべて出来ちゃいます~♪

いっけん簡単そうに見えますが、手首に負担がかかってかなり疲れる~。

手首のスナップがお見事です!!

初めて挑戦してみましたが、なぜか石うす自体が削れてしまう。

なんでだろう~?

私が作ったら、石入りサンバルになっちゃった!

まだまだ修行が足りないようです(苦笑)

ミキサーを使っても出来ますが、どうしても水っぽくなってしまう。

やはり出来上がりの差は格段に違いますね。

すりつぶしたサンバルを、油を引いたフライパンで炒めたら完成。

水分がなくなるぐらいまで炒めてくださいね。

☆ バリ料理に役立つ単語~インドネシア語&バリ語 ☆

【料理】
masakan
(マサカン)

【材料】
bahan makanan
(バハン マカナン)

【調味料】
bumbu
(ブンブ)

【辛い】
pedas
(プダス)

【甘い】
manis
(マニス)

【塩辛い】
asin
(アシン)

そうそう!

インドネシア料理って単語を覚えておくと、どんな料理かすぐに理解することが出来ます。

例えば、この単語を組み合わせると、

ナシゴレン
(Nasi Goreng)

=ご飯を炒める
=焼き飯

ミーゴレン
(Mie Goreng)

=麺を炒める
=焼きそば

イカンバカール
(Ikan Bakar)

=魚を焼く
=焼き魚

アヤムゴレン
(Ayam Goreng)
=鶏肉を揚げる
=鶏の素揚げ

とーっても簡単♪

いくつかの単語を覚えるだけで、料理名はほとんどマスターできちゃいますよ。

なので、

サンバルゴレン
(Sambal Goreng)

は、炒めたサンバルなんだなーってことがわかるんですね♪

■サンバルマタの作り方
(Sambal Matah)

マタ
(Matah)

は、生という意味のバリ語。

炒めていない、
生のサンバル。

魚料理と相性Goodなサンバルマタは、バリ島独自のサンバルです。

今までは、焼き魚には大根おろしに醤油が世界一!

と思っていましたが。

今は、焼き魚には絶対サンバルマタですねっ。

これに共感してくれる人も、いっぱいいるんじゃないかしら~?

バリ好きさんにもファンの多いサンバルです。

作り方はとっても簡単!

【サンバルマタ 】

<材料・ 4人分 >

◎ ニンニク1かけ
◎ バワンメラー(赤い小玉ねぎ)15個
◎ チャベクチル(辛い唐辛子)2個
◎ レモングラス4本
◎ ジュルニピス(ライム)半分
◎ 塩少々
◎ オイル少々

サンバルマタの画像
日本人に一番人気のサンバルマタ
ご飯が何杯でも食べれちゃいそう。

ジュルニピス(Jeruk Nipis)とは、日本名はコブミカンです。

手にはいらない場合は、ライムやカボス、スダチでも代用できますよっ♪

すべて細かくみじん切りにしたら、お塩を加えて混ぜるだけ!

最後にオイルとライムを絞ったら完成~♪

オイルはサラダ油でもOKですが、ココナッツオイルで作る方が、独特のコクが出るのでまた違った風味になります。

和えるだけで出来るので、料理が苦手な私でもできちゃう。

福神漬けのように、カレーに添えても美味しいんですよ。

ぜひ試してみてください!

■サンバルトラシの作り方
(Sambal Terasi)

トラシ
(Terasi)

とは
えびの発酵ペースト。

かなーりの異臭を放つトラシは、好き嫌いがはっきりと分かれるかも。

このペーストを加えると、コクが加わり深い味わいになります。

サンバルマタにトラシを加える家庭も多いようです。 

トラシは生で使えないので、火で数分あぶったものを使います。

あぶっている間は、かなりのトラシ臭が漂うので要注意!(苦笑) 

でも、あぶることで匂いが飛ぶので、食べる時はそんなに匂いませんのでご安心を♪

バリ調味料トラシの画像
”TERASI UDANG”と書いてあるものがトラシ。
スーパーや市場では必ず売っています。
サンバルトラシの材料画像
ニンニク無しでも、とってもコクのある味になります。

【サンバルトラシ】

<材料・ 4人分 >

◎ トラシ5g程度
◎ チャベクチル(辛い唐辛子)2個
◎ トマト半分
◎ ジュルニピス(ライム)半分
◎ 塩少々

すべての材料を混ぜて、石うすでゴリゴリすれば、ほとんど完成です。

最後にライムをキュッと絞って出来上がり~!

トマトとライムの爽やかな酸味が、揚げ物や鶏肉料理ととっても相性がいいですよっ☆

日本人の感覚から言うと、塩辛や明太子に近い感じかな?

ご飯とサンバルトラシでも結構イケちゃいます。

食べるラー油が流行っていましたが、サンバルトラシも仲間入りできますねっ!

サンバルトラシの作り方1の画像
トラシはコンロで直火焼き
ワイルド~(笑)
サンバルトラシの作り方2の画像
味に癖があるので、好き嫌いが分かれるかな?
私は結構好きかも!

その他にも、

サンバルマンガ
(Sambal Mangga)

は、

マンゴーのサンバルなんてのも。

まだ若い、熟れていないマンゴーと唐辛子などを混ぜて作ったサンバルです。

インドネシアでは、果物と唐辛子を組み合わせた料理も結構ありますよ。

合わなそうな組み合わせに感じますが、意外と美味しい(笑)

酸味があるので、食欲がない時に向いている感じ。

なかなかレストランなどでは味わえない、家庭の味です!

☆ バリ料理に役立つインドネシア語&バリ語 ☆

▼サンバルの材料はなんですか?

sambalnya dari bahan apa?
サンバルニャ ダリ バハン アパ?


▼ どの料理に合いますか?

masakannya yang mana cocok?
マサカンニャ ヤン マナ チョチョ?


▼ 辛いですか?

ini pedas?
イニ プダス?


▼ 辛いのが苦手です。

saya tidak suka pedas.
サヤ ティダッ スカ プダス


▼ サンバルの作り方を教えてください。

mint tolong ajar masak sambal.
ミンタ トロン アジャール マサッ サンバル

バリ島に旅行に来て、サンバルの魅力にハマり、日本でも作ってみよう!なんて思う人も多いのでは?

日本では、エスニック食材を扱う専門店や、タイ料理店、バリ雑貨店などでも食材をゲットできます!

インターネット通販でも、インドネシア産の唐辛子も手に入るそうですよっ。

そこまでするにはちょっと。。。

と言う人には、手に入りやすい食材で代用してもOK。

バワンメラーは紫玉ねぎや玉ねぎで。

唐辛子は、乾燥した物でもOKですが、出来れば生の唐辛子を使ったほうが良いかな。

夏から秋頃にかけて、日本の唐辛子がゲットできます。

ただ、トラシだけは代用できるものがないので、

輸入食材店で

シュリンプペースト
(shrimp paste)

を、探してみてください。

インドネシア産のほかに、タイ産などが出回っています。

かなりの匂いを放ちますので、料理する時はよーく換気をしてくださいね。(苦笑)

それと、日本のニンニクインドネシア産に比べて香りや味が濃いので、上記分量よりも少し減らした方が良いかも知れません。

また、石うすの代用はミキサーでも出来ます。

細かくしすぎて液状にならないように注意して下さい。

出来上がったサンバルは、1週間程度で食べ切ってください。

食べ切れない場合は、冷凍保存も可能!

小分けにして食べる分だけ解凍しましょう。

サンバルマタは冷凍すると水っぽくなってしまうので、冷凍には向いていないようです。

食べる分だけ作りましょうね♪

ご飯のお供にしても良し。

お料理の調味料にしても良し。

地域によっても材料が違っていたり。

とっても奥の深~いサンバルです。

インドフード(Indofood)のサンバルの画像
食卓用の小さなサイズから業務用サイズまで。
バリのご飯には欠かせない存在です。

インドネシアの調味料の画像
小分けパックされたトラシを発見。
これなら匂いも気にならず、お手軽ですね。

スーパーマーケットでは、お手軽にゲットする事も可能です。

サンバルメーカーの大手、
ABC
(インドネシア語読みでは”アーベーチェー”)

や、

インドフード
(Indofood)


サンバルは種類も豊富で、バリのお土産にもオススメ。

一番王道の
サンバルアスリ
(Sambal Asli)、

その他にも、

唐揚にぴったりの
サンバルアヤム ゴレン
(Sambal Ayam Goreng) 、

甘辛いソースの
サンバルマニスプダス
(Sambal Manis Pedas)、

とっても辛い、
サンバルエクストラプダス
(Sambal Extra Pedas)

があります。

料理に使える粉末状のサンバルも、とっても便利ですよ!

ぜひ日本でも、簡単にバリ島の味を再現してみてください。

インドネシアのマクドナルドやケンタッキーなどのファストフード店にも、必ず置いてあるサンバル。

これをかけるだけでインドネシア風に大変身!

ホットでスパイシーなバリ料理、日本でも試してみてくださ~い♪

■ケチャップ=ソース?醤油!?

ケチャップと言えば、日本ではトマトケチャップを想像しますが、インドネシアでは、ケチャップはソースを意味します。

なので、ケチャップをくださいと言うと、黒い液体が出てきます。

ケチャップには2種類あり、

塩辛いソースの意味の

ケチャップアシン
(kecap Asin)

は、醤油。

甘いソースの意味の

ケチャップマニス
(Kecap Manis)

は、
甘辛いとろっとした
ソースとなります。

トマトケチャップは、
インドネシアでは

ソーストマト
(Saus Tomat)
と呼ばれています。

調味料を探す時には要注意。

ケチャップマニス(Kecap Manis)の画像

インドネシア料理&バリ料理の写真

ウコンの画像
料理で使うサンバルは、
生姜やウコンなども加わります。
サイバン(saiban)の画像
ご飯が炊けたら、神様にもおすそ分け。サイバン(saiban)と呼ばれるお供えは、家の各所に置かれます。
イカンバカールの画像
シーフードにはサンバルマタ!
魚料理とは相性抜群です。
ラワール(Lawar)の画像
ココナッツと野菜をあわせて作ったラワール(Lawar)。ラワールメラ(Lawar Merah)は新鮮なうちに食べましょう。
ワルン(食堂)の画像
ローカルのワルン(食堂)はこーんな感じ! おかずが山盛りでディスプレイされています。
ペペスイカン(Pepes Ikan)の画像
サンバルと魚を混ぜ、バナナの葉で包み蒸し焼きにした、ペペスイカン(Pepes Ikan)
サンバルの画像
サンバル食べ比べ! やっぱり王道のサンバルトマトが一番かな~?
バリの子供の画像
子供たちだってサンバル大好き!
やっぱりママの作るサンバルが一番!?
魚のサテの画像
魚のサテはピリットしたスパイスと混ぜて焼きます。 食べる時はサンバルマタと一緒に♪
ライステラスの画像
バリ島のライステラスを眺めながらの食事もいい~♪ お皿にバナナの葉っぱを使っているのがステキ☆